理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「遠藤周作と三浦綾子と天川貴之の『愛の降臨』について」



JDR総合研究所 代表
天川貴之




 一言でキリスト教文学といっても、遠藤周作と三浦綾子では、随分、色合いが違う。北海道旭川の三浦綾子記念文学館と長崎の遠藤周作文学館とでは、風土が全く異なるのである。

 三浦綾子さんは、生前において、天川貴之著の『愛の降臨』に感銘を受けられて、推薦して下さるお手紙も頂いた。

 遠藤周作さんは、同じ慶応義塾大学の仏文卒で、三田文学の方である。フランスにも縁の深い方で、『留学』や『王妃マリー・アントワネット』などの作品がある。

 三浦綾子さんにも、『細川ガラシャ夫人』などの作品があるが、マリー・アントワネットと細川ガラシャでは、歴史上の人物といっても、色彩が異なるが、どちらも激動の時代を生きた女王的クリスチャンである。

 遠藤周作は、小林秀雄について、自分には小林秀雄論を書く資格も力量もないと述べているが、ただ、小林秀雄が描く人為を超えた天意について関心があると述べている。

 また、平野啓一郎の『三島由紀夫論』は小林秀雄賞を受賞しているが、そこには、どこか天川貴之の『哲学随想』に通ずる所があるとも感じられる。

 さらに、天川貴之著の『愛の哲学』と遠藤周作の作品について論ずる人もいる。確かに、愛なくしての信仰心もないであろう。また、信仰心なくしての愛も、その言葉が軽くなるかもしれない。

 プラトンの「エロス」から、イエス・キリストの「アガペー」に到るまで、人類の歴史には様々な愛の形があるのである。





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