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「哲学的コラム」 | ||
Japanese Dream Realization |
「ルソーの『新エロイーズ』と プラトンの『パイドン』と福音書について」 |
ルソーは民主主義・自由主義の祖である。しかしながら、同時に、神の存在と霊魂の不滅と自由意志を何よりも主張し、論じ、確信していたのである。「新エロイーズ」の中においても、福音書やプラトンの「パイドン」の霊魂の不滅を雄弁に語り、引用するのである。 ルソーは、天啓を受けて、それが数多くの思想のビジョンになっていると述べている。けれども、その思想・思索は、強大で、強力で、無限であり、繊細な所まで真理が行き渡っているものである。 それは、まさしく、思想家の思索そのものであり、主体的な創造する力そのものである。ルソーは、創造者として、新生フランスを、いや、近代という時代精神そのものを建国したのである。 ルソーの「社会契約論」や「人間不平等起源論」や「新エロイーズ」は、かの有名なフランス革命を描いた「ベルサイユのばら」の中でも、オスカルやアンドレが、それらを読んで涙を流して感動するという場面が描かれている。 実際に、マリー・アントワネットですら、ルソーのファンであり、自身の離宮であるプチ・トリアノンに演劇場を創り、自らルソーの「村の占い師」を演じていたぐらいなのである。 ルソーの著作の中に「新エロイーズ」のようなものがあったということは、非常に面白い真実である。この「新エロイーズ」がなければ、近代小説が成立するのに、また違った展開になっていたかもしれない。 さらに、ルソーの「告白」もまた、近代小説の祖である。ゲーテの「詩と真実」も、このルソーの「告白」の路線の上にあるものなのである。 |