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「哲学的コラム」 | ||
Japanese Dream Realization |
「ゲーテにおけるキリスト教と近代思想哲学について」 |
近代哲学の象徴の一人とも言えるカントの「実践理性批判」においても、神の存在と魂の不死が前提となって、その哲学体系が出来ているのである。 また、モンテーニュの「エセー」の中においても、キケロやセネカの文献と共に、パウロの「コリント人への手紙」などがあり、それらを読み比べてみると、パウロの手紙の哲学的格調の高さが憶われるのである。 また、イタリアのベネチアの聖マルコ大聖堂であっても、随分と立派な建築物であるが、イタリアの中におけるイエス・キリストの使徒達や弟子達のモニュメントとなる建築物の数々を見ても、一人一人の聖人としての使徒達の偉大さが分かるのである。 さらに、カピトリウムの丘のマルクス・アウレリウスの騎馬像や円柱や、トラヤヌス帝の円柱などは、ゲーテの「イタリア紀行」にも出てくるものである。 このゲーテの思想文学の中には、近代的哲学精神と、聖書のようなキリスト教的神秘主義が融合していると言えるのである。 そこにおいては、天上的なる実在が、様々な人物像として描かれているのであり、まさしく大天使のような仕事である。このような天上界の秘儀にも通じているのがゲーテであり、また、シュタイナーであるのである。 ゲーテの中に脈打つ聖なる芸術的愛が、一人一人の心に聖なる愛の種子を蒔いてゆくのである。ゲーテの愛と智慧と美の種子は、さらなる芸術的創造を育んでゆくのである。 |