理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「ウィリアム・ジェームズと西田幾多郎と福澤諭吉の哲学について」



JDR総合研究所 代表
天川貴之




 インド哲学やドイツ観念論哲学も大切であるが、それ以上に、アメリカ哲学の流れをよく学び、思索することである。

 ウィリアム・ジェームズの「純粋経験」や、ベルグソンの「純粋持続」が、西田幾多郎に深い所で影響を与えているように、ウィリアム・ジェームズの実学の精神は、福澤諭吉の実学の精神、サイエンスの精神とも軌を一にする所が多いのである。

 慶應義塾大学において、よくラッセルやホワイトヘッドが論じられているのは、こうしたアメリカ哲学の影響を深く受け継いでいるからである。

 ウィリアム・ジェームズには、『宗教的経験の諸相』などの心理学的著作もあるが、心理学の観点から、学問的に宗教哲学を論じているのである。それは、まさしく、科学的精神の現われである。

 ホワイトヘッドとラッセルは、科学哲学をよく論じているが、ホワイトヘッドは、アインシュタインの物理学にも通じていた。

 上智大学の田中裕名誉教授はホワイトヘッド学会の会長であり、アインシュタインの「相対性理論」に関する論文などもあるが、このようなアメリカの科学哲学の流れも非常に大切である。

 その上で、アリストテレスやヘーゲルの論理学を根本から論じてゆくのである。西田幾多郎の「絶対矛盾の自己同一」も論理学である。それは、「統合と個性の開花」の論理学であり、「一即多、多即一」の論理学である。それはまた、アリストテレスの論理学の現代的流出でもあるのである。





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