理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「西田幾多郎と理念哲学の本質について」



JDR総合研究所 代表
天川貴之




 人格における善の根底には、理念の実現があるのである。人生に真善美を実現するものは、理念である。理念こそ実在であり、あらゆる現象は、理念によって統べられているのである。

 理念とは、法であり、法則であり、イデアであり、実在である。人生のありとしあらゆるものは無常であり、無我であり、本質的ではない。これに対して、理念に基づいた真理こそが実在である。真理によって、人生は統べられているのである。

 西田幾多郎の哲学の根本にも、理念の実在があるのである。真なる「見性体験」とは、理念を発見し、思索することである。この理念を中軸にして、あらゆる思想をまとめてゆくことが、理念哲学なのである。実在哲学なのである。

 理念を実現してゆくことこそ、最高の善である。理念を観照することこそ、真なる哲学の営みである。

 哲学書の中に、一貫して描かれている理念の実在を発見することが、真に哲学書を読むということであり、描くということである。

 どんなに現象に対する思索が見えても、その背後にある理念の実在、理念の法則、イデアの真象が観えなければ、未だ本源的哲学の生には到っていないのである。

 理念即実在である。理念即真理である。プラトンに始まる人類の哲学の営みは、西田幾多郎に到っても、イデア、理念を中心に展開されるのである。





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