理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「ルソーの『人間不平等起源論』と憲法や経済学や文化人類学について」



JDR総合研究所 代表
天川貴之




 ルソーの『人間不平等起源論』は、文化人類学の源となるものである。それは、人類の文明を、自然状態と社会状態とに分けて、歴史的に考察してゆくものである。

 近代におけるフランス革命やアメリカ革命や明治維新などの不平等を平等にする時代精神においては、「自由・平等・博愛」という理念は大切である。

 現代においても、憲法の理念は、自由と平等と博愛である。平等の精神のない憲法というものはないのである。そもそも、基本的人権というものは、人間は自由であり、かつ、平等であることによって初めて成り立つものなのである。

 福澤諭吉も、『学問のすすめ』の冒頭において、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」と宣言し、平等と啓蒙思想の大切さを述べている。

 さらに、現在の日本国憲法においては、「私有財産権」が保障されているが、この「私有財産権」の保障こそが、資本主義社会の根本である。この「私有財産権」を大切にすることが、現代日本の根本精神であり、自由で平等な博愛社会の本質なのである。

 これは、ロックの思想における「私的所有権」の尊重に負う所が大きいが、これに対して、マルクスなどの共産主義国家は、ルソーの『人間不平等起源論』からも、その思想的影響を得ている。

 さらに、ルソーの『社会契約論』は、日本国の自由民権運動においても最も多く読まれていた本である。現在のアメリカのハーバード大学でも未だに読まれており、重視されている。

 このように、ルソーの精神は、近代のアメリカ精神や日本精神の源であり、それは現代中国の国家精神の源でさえあるのである。





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