諸君よ、世の中の「狂い」を確かに「観」定めよ。そして、正しきものを正しきものとして守れ。そうでなければ、正しい歴史的認識に立って、「今」の時代の位置づけが出来ないのである。
世界史的視野から、「今」の時代の「今」あるものの理念価値を正確に確かめよ。正しいものを正しいものとして処遇してゆけ。真なるものを真なるものとして処遇してゆけ。善なるものを善なるものとして処遇してゆけ。美なるものを美なるものとして処遇してゆけ。聖なるものを聖なるものとして処遇してゆけ。繁栄を繁栄として肯定してゆけ。健康を健康として肯定してゆけ。平和を平和として肯定してゆけ。幸福を幸福として肯定してゆけ。文化創造を文化創造として肯定してゆけ。
人間として最高の「恥」とは、素晴らしいものを素晴らしいものとして肯定出来ないことであるのである。文化史的にみて、何がどのような位置づけになるのかという「真贋」が分からないという程の「恥」は無いのであるということを知れ。さらに、「真贋」が分かりながら、敢えて「義勇」無きことは、さらなる「恥」であるということをよくよく悟りなさい。
かの西行や芭蕉が精神的境地を切り拓かれなければ、和歌や俳句の歴史がどのようになっていたかということをよくよく考えてみなさい。文学の精神史における世界史的位置づけについて、よくよく「真贋」を見抜きなさい。それは、芸術的「悟り」そのものであり、知的直観力そのものであり、最も人間にとって全教養と全人格を支える根本そのものである。この「狂い」、微妙な「誤差」が分からない方は、「道」から外れている証である。
正しさを正しさと成し、「誤差」を無くし、正道に立ち帰りなさい。大道に立ち帰りなさい。そして、「素直」に、「自然」に、「大調和」の裡に、新しき大道を切り拓いてゆきなさい。煩悩としての「狂い」と、「誤差」を正確に見抜ける方こそ、真なる「智者」の証である。さらに、微妙な「狂い」を糺してゆく者こそ、真なる「リーダー」の証である。少なくとも、世界文学史の視野に立って、「今」の日本の現状と、「過去」の日本の現状と、「未来」の日本のあり方を、根本から、基本から、正確に問い直しなさい。
鬼門の中にも、物心共なる繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の理念価値の源が実在するものである。根本から、基本から、正確に世界文化史的位置づけをあらゆるものに与えてゆくことこそ、真なる「国際性」の証であり、真なる「和」の証であり、真なる「自主性」の証であり、真なる「魂教育」の王道であり、真なる「天才教育」の王道なのである。
常に十七歳の方々の視線に立って、青春を飾るにふさわしい文化風土、精神風土を醸成してゆきなさい。それこそ、真なるその道の「プロ」の天命であり、真なるその道のリテラシィーのある「アマ」の使命であり、文化大国日本の世界全体に対する報恩であり、感謝であり、積極的な愛であり、智慧の光明である。
「スピード経営」を旨としながら、着実に、確実に、正確に、世界史の潮流に則り、一大光明文化潮流を、新生日本ルネサンスの風として、新生地球ルネサンスの風として吹き渡らせてゆきなさい。さすれば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。