諸君よ、愛は正義を支える柱であり、正義は愛を支える柱であり、光明と叡智は、愛と正義を一大光明芸術へと成してゆく柱であり、大調和、大団円の神の国、仏の国、理念（イデア）の国を顕現してゆく柱なのである。そして、諸徳のバランスを保ちながら、全体としても、個としても、調和と均整がとれているということが、真なる「自然」体なのである。

　故に、常に、中庸の徳、中道の徳を基盤にして、バランスよく諸徳を磨いてゆきなさい。「自然」体で、その過程が「悦び」となり、「楽しさ」となり、「幸福」となるような精神態度をもって、自分自身にとって適切な早さで、相当の時間をかけて、「大いなる夢」を実現してゆきなさい。そして、その過程で、個性の違うすべての華々を讃嘆し、その個性的実相を拝み出してゆきなさい。さすれば、多様なる個性が幸えているということ自体が、大いなる天の恵みそのものであり、大いなる天の配材そのものであり、大いなる幸福の源そのものであり、大いなる繁栄と健康の源そのものであるということが如実に実感できることであろう。

　人権というものも、礼節というものも、本来一つの「真理」の顕れであるから、矛盾するようなものではないのである。人権を尊重するためにこそ礼節はあり、自由、平等、博愛の精神を尊重するためにこそ、真なる秩序と礼節が存在するのである。それは、すべての方々が、大調和裡に発展繁栄してゆき、すべての方々が真に幸福になり、天の恵みを受け継いでゆくための大道なのである。

　故に、諸君らは、あらゆるものの中にある実在価値をこそ信じなさい。そして、あらゆる存在の表面にある先入観や偏見の奥に、実在価値、理念価値、個性的実相を発見し、発掘してゆきなさい。さすれば、価値礼拝すればする程に、物心共に豊かになってゆくのである。そして、真理の発見が、実在価値、理念価値、個性的価値の発見として増えてゆく程に、不増不滅の「本来増一元」の空相中実相として、無限無数に繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の源となってゆくのである。

　真に、自分自身の本質を信じ、他者の本質を信じ、国家の本質を信じ、地球の本質を信じ、宇宙の本質を信じて、明るく、朗らかに、積極的に、肯定的に、建設的に生きてゆけば、あらゆる個性的価値が、多種多様に、その本来の個性的実相を顕現し、「統合と個性の開花」した「秩序と自由」のある世界を示顕し、大調和に真に幸えてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。