諸君よ、あらゆる人々の声に、心「素直」に耳を傾けてゆくということは大切なことである。そのためには、心を常に柔軟な状態に保っておかなくてはならない。そして、すべての方々の良識を拝み出し、学びつづけるという姿勢を保っておかなくてはならない。個性の違いや意見の相違に対しても、それこそが「自他一体」に向上させ、発展繁栄と調和と平和を創造し、大調和の世界を創造してゆく源であると、根本的に尊重し、敬ってゆかなければならない。
その方が、どれだけ「自我」を空しくし、「無我」としての「真我」を実現しておられるかということは、どれだけ多くの方の意見を尊重し、よき聞き役にまわることが出来るかということに現れてゆくのである。「耳順」の徳というものは、どのような立場、どのような年齢の立場の方にとっても、常に磨き続けてゆかなければならない最高の徳目の一つである。そしてそれは、民主主義の実質にある精神であり、自由主義の実質にある精神であり、同時に、徳治主義の実質にある精神であり、理念主義の実質にある精神であり、「統合と個性の開花」「秩序と自由」の「絶対無」的立場の根幹にある精神理念なのである。
あらゆるものの奥に一片の理を見い出し、一片の理の奥に個性的実相を見い出し、尊重してゆけば、あらゆる方が師となり、あらゆる方が親友となり、大調和、大団円の世界が顕現してゆくのである。衆知を真に尊重してゆくことを通して、真なる自己実現をなしてゆくことこそ、大いなる夢を実現する大道であり、衆知が真に活き、幸えてゆくことこそ、真に「自他一体」に繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造を成してゆく大道であり、真に家庭に貢献し、会社に貢献し、学校に貢献し、地域社会に貢献し、国家に貢献し、地球に貢献してゆく王道なのである。
光明荘厳たる中道の道、中庸の道、大調和の道を、着実に、堅実に、丁寧に歩んでゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。