諸君よ、春には春にふさわしい教育があり、学問があり、思想が実在するのである。それこそ、新時代の精神そのものである。新しい人間観、新しい世界観に基づいた、真なる「魂の教育」こそが、今の時代の日本に、世界に求められているのである。新生日本建設の潮流は、既に始まっているのである。新生古事記の潮流は、既に始まっているのである。新生日本ルネサンスの潮流は、既に始まっているのである。新生地球ルネサンスの潮流は、既に始まっているのである。
こうした、人類の春の時代にふさわしい、大らかで、幅の広い、全人格的教養教育が求められているのである。学問というものは、本来楽しいものであり、悦びに満ちたものである。学問的素養が無いと観えてこない世界が、いくらでも存在するのである。
学問の本質の一つは、人生を味わい、世界を味わうに足る基礎教養を、心身共に身につけてゆくということである。学問とは、本来、義務で他律的に学ぶものではなくて、本来、自発的な使命感、天命感をもって、自律的に学んでゆくものであって、それは、真なる幸福の源そのものなのである。
そして、学び方にも様々な個性があり、学ぶ過程の多様性を保障し、多様なる選択肢を創造してゆくことによって、自発的な悦びに基づいた学問的精神を育み、それぞれの目的に従って、生涯にわたって学習しつづけられる環境を、充分に与えてさしあげればよいのである。
学問に、遅い早いも本来ないのである。学問そのものが、本来人生の目的であり、生きる意義そのものであり、最高の幸福の道なのである。明治以前の頃に比べても、いかに「今」の日本国並びに世界の環境が恵まれているかということをよくよく考えて、真なる幸福の道としての学問の大道、生涯学習の大道を、一つでも多く創設し、学問の中に大いなる夢をもち、大いなる希望をもち、大いなる志をもてるような、真なる人生学の道を開拓していっていただきたい。
人間の本質を探究し、世界の本質を探究し、実人生を善転させ、一大光明芸術として、天の栄光を無限無数に顕現せしめてゆくことは、人間として生命を授かった最高の悦びであり、醍醐味であり、天命なのである。学問の意義に、深く感謝の心をもって積極的に参画してゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。