諸君よ、かの宮本武蔵の如く、二刀流の経済政策という視点も肝要である。正統ケインズ政策と正統ハイエク政策というものは、決して矛盾するものでもなく、二律背反するものでもない。統合的視野に立てば、両者共、真に日本国の経済を建て直し、国益を増進し、地球益を増進してゆくために大切な考え方である。基本的な経済現象の分析については、リチャード・クー氏や、亀井静香氏の述べられるように、景気回復を中心とした財政出動を中心に考えてゆかなければ、真なる国策を誤ることになるであろう。
この一年弱の間に立証されたことは、正統ケインズ政策を選択するべき時期に、選択出来なかったが故に、経済不況が長引き、民間が確実に活性化しているにもかかわらず、日経平均株価が低迷したということである。その背後にあるのは、正統ケインズ政策というものは、社会主義的政策ではないかとする偏見であり、先入観であり、その背後にある知識に対する傲りそのものである。「正統」と「異端」が分からず、「正統」なるものを「異端」となし、「異端」なるものを「正統」なるものとなすことは、転倒妄想の最たるものである。
正統ケインズ政策とは、本来資本主義を補強するものであり、理念資本主義の礎を築くものであり、「今」現在の日本国の経済的国難を打破してゆくために必要不可欠な経済政策である。この正統ケインズ政策は、その財源を、「国債」ではなく、「貨幣発行権」に求める点において、より本質的な見解である。
あらゆる偏見と先入観と傲りを去って、虚心坦懐に、本来あるべき「天の御心」、物心共なる繁栄を通した平和と幸福を実現してゆけ。かの経済産業相の平沼赳夫氏も深く賛同されており、財務省の宮澤喜一氏も賛同されている経済政策が断行されないということは、政治家の怠慢、言論人の怠慢、経済学者の怠慢以前の何物でもない。
真なるものを真なるものとして、善なるものを善なるものとして、美なるものを美なるものとして、聖なるものを聖なるものとして敬い、尊重し、真に心「素直」に衆知を活かし、具体的政策として断行し、実現してゆけ。断じて行えば、必ずや、日本国の運命は開拓されてゆくのである。必ずや地球の運命は開拓されてゆくのである。真なる経済政策によって、無限無数の富が供給され、「自他一体」に、無限無数に発展繁栄してゆくことが出来るのである。それだけの「デフレギャップ」を、日本国の底力として、余力として貯えてきたのである。
この潜在的資産を、日本国のために、全地球のために、最大限に有効活用してゆけ。そして、真の意味で、経済学大国日本、経済政策大国日本を創造してゆけ。真の意味における理念経済学者が数多く輩出してゆくことが、国家のリーダーシップを高め、国家の良識層を高め、全地球に対しても、己が最高の長所をもって貢献してゆくことが出来るのである。
諸君よ、政治大国日本の証は、真に勇気と積極性と夢のある数多くの政策の決断、断行、実現によって、自然に実証されてゆくのである。諸君よ、「和を以って貴しとなす」の精神風土の中から、それ故にこそ、真に力剛いリーダーシップを発揮し、真なる天の栄光を、人々への愛として、無限無数に顕現せしめてゆけ。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。