諸君よ、繁栄を通した平和と幸福、そして健康と文化創造を妨げる精神態度に、「持ち越し苦労」と「取り越し苦労」と「自虐的精神」と「不信感」と「恐怖心」が存在するのである。いくら、過去の悪しきことを心に持ち越したとしても、そのマイナス想念そのものが繁栄を遠ざけてゆくのである。故に、過去は光明面を中心に観じ、一度清算した限りは、心を白紙にして「新生」をしてゆかなければ、真なる友情を育んでゆくことも出来ないし、長所や美点と交わってゆかなければ、お互いに発展繁栄してゆくことは出来ないのである。

　どのような人物にも、どのような歴史にも、マイナスの面はあるものである。しかし、マイナスの面を心に刻印しつづけると、さらなるマイナスな現象を引き寄せてゆくのが古今不易の「心の法則」そのものなのである。故に、すべての方の個性的実相を礼拝し、個性的実相を真に愛しきり、真に愛することによって、美点と長所を発見し、積極的に讃嘆してゆけ。そして、過ぎ去ったことの多くは、「忘却の川」に流してゆけ。それが、真に自分自身を幸福にしてゆく道であり、自国を幸福にし、国民を幸福にし、国益を増進し、自他一体に発展繁栄させてゆく道である。

　真に許すものは、真に許されるのである。真に愛し信ずる者は、真に愛し信じられるのである。真に自己信頼する者は、他者からも真に信頼されるのである。真に未来に向けて大いなる希望を描き、大いなる夢を描く者は、未来から真に祝福されるのである。真にあらゆることを恐れず、勇気と積極性と信仰心と自己信頼をもって「安心立命」の境地で天命に邁進する方には、天の栄光が無限無数に降り注ぐのである。

　それらの「心の法則」は、大宇宙の真理そのものであって、「法則」であるが故に、あらゆる宗教や宗派を超越して実在し、真髄において「一つ」であり、永遠普遍にどのような方にも応用出来、また、科学的にも学問的にも検証してゆくことが出来るものなのである。

　「心の法則」は、あらゆる生命に共通の言語であり、理念（ロゴス）そのものである。日本においても、アジアにおいても、地球においても、銀河においても、大宇宙においても通用する原理原則である。故に、諸神諸仏を通して、一なる大宇宙の理法（法身そのもの）に帰一せよ。大いなる精神の太陽の御心に帰一せよ。さすれば、真に繁栄を通した平和と幸福、そして健康と文化創造が無限に供給され、「大和」（だいわ）の国として、神の国、仏の国、理念（イデア）の国として、大調和の裡に、全人類の精神を春の時代へと導いてゆくのである。

　諸君よ、大いなる夢を描け。「大いなる夢を実現する詩」を朗誦しながら、太陽の王道を歩んでゆけ。あらゆる生命に真に感謝し、報恩し、愛を与えながら歩んでゆけ。積極的に、自信をもって、朗らかに、悦びに満ち満ちて歩んでゆけ。さすれば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。