諸君よ、逆境から起ち上がるということは、最高の美徳である。人間の精神力というものは、本来鋼の如く強靭なものである。しかも、適度な逆境が、その方の真なる魂の実力を磨いてゆくこともあるのである。

　その意味において、地上において様々な四苦八苦の逆境が諸君らのもとに襲ってきても、かのダビデのように、かの大和武命のように、かのナポレオンのように、敢然と逆境を真正面から積極的に受けとめ、逆境転じて一大光明芸術となしてゆかなければならない。そこに、真なる勇気と積極的精神態度の実力が培われてゆくのである。

　故に、四苦八苦の現実に対して逃避するのではなく、積極的に挑戦してゆけ。真なるファイティングスピリットをもって闘い、一条の運命の大河を切り拓いてゆけ。その時期に、いかなる逆境も、諸君を真に鍛えるために立ち現れた尊い天の配材であり、観世音菩薩の方便であったことが如実に悟られてくるのである。

　その上で、一大光明芸術の過程と成果を天に献げよ。そして、一貫して天の御心の下に、心正直に自助努力をなし、その成果の一部を天の御心にかなう形で布施してゆけ。無償の愛として施してゆけ。自他一体にすべての方を慈しんでゆけ。さすれば、自助努力の過程のすべてが天の祝福を受け、多くの人々の祝福を受けてゆくことであろう。

　大いなる天の御心、天の摂理、天の法則の下に、すべての方が平等であり、博愛をもって愛されており、自由意志をもって生かされており、自由創造力をもって、神の国、仏の国、理念の国を創ってゆくように導かれているのである。

　諸君らは、神聖なる天の摂理に生かされているのである。そのことを自覚し、真に自らの運命を切り拓き、あらゆる逆境と戯れ、一大光明芸術を創ってゆくことこそ、地上に幸えていることの意義であり、悦びであり、真なる勇者の証なのである。

　そして、真なる勇者にしてはじめて、真に慈しみ深く生き抜いてゆくことが出来るのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。