諸君よ、芸術の中には「生命」があり、「聖なる霊」が宿っており、「聖なる神々」が宿っており、「天の摂理」が宿っており、究極のロゴス（理法）が天衣無縫に宿されているものなのである。

　故に、諸々の芸術を通して真実なる歴史を知り、真実なる人々の心を知り、さらには、芸術を通して人生の運命を開拓し、学問の運命を開拓し、地域社会の運命を開拓し、日本国の運命を開拓し、全世界の運命を開拓してゆくことも出来るのである。様々なものの中に、時代精神の象徴が顕れているのである。

　例えば、芸大資料館に、明治維新の日本国の運命開拓の象徴画としての高橋由一の「日本武尊」像が、どのような形で保存されており、今後どのような形で復元され、新生され、日本国民の間、諸外国の間で受けとめられるかということは、新生日本ルネサンス、新生地球ルネサンスの行方を象徴しているといえるのである。

　故に、絵画や、彫刻や、建築等の諸芸術の中にも理念があり、光があり、天の栄光の象徴が実在するといえるのである。かのミケランジェロの「ダビデ」像が、イタリアルネサンスの象徴の一つとなったように、「ダビデ」像に該当する「日本武尊」像が、今後どのように新生され、新たなる「魂」を吹き込まれ、「神々の魂」を吹き込まれてゆくかということが、新生日本建設の行方と、新生地球建設の行方を占っているともいえるのである。

　諸君よ、芸術は、その「心」を通して人間の「心」に働きかけ、「心」の深奥に働きかけ、時代精神となり、日本精神となり、世界精神となり、新時代そのもの、新天新地そのものを、真に創造してゆくことが出来るといえるのである。

　一つの色彩、一つの象形、一つの造形の中にも、天の栄光は顕れてゆくのである。その一つ一つを大切に尊重し、大いなる感謝と謙虚さと礼節をもって再興し、新生してゆく時期、あらゆる方の運命が真に開拓され、あらゆる方の運命が一大光明芸術として昇華されてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。