諸君よ、国家と個人というものは本来相克するものではない。真なる国家は個人を尊重する所に存在意義があり、真なる個人は国家を自ずから尊重するものだからである。個人と家庭と学校と会社と国家と全地球と全銀河と大宇宙は本来一つであり、一なる生命の論理構造をもっているからである。

　故に、限りなく普遍的であることが、同時に限りなく個性を大切にしてゆくことにつながってゆくのである。個人の個性的尊厳を大切にし、個人の個性的自己実現を大切にしてゆくことが、国家の本来の役割であり、「大和（だいわ）の理念」であり、同時に「自由、平等、博愛の理念」だからである。

　この「国のかたち」としての「大和の理念」は、政治のみならず、経済にも、経営にも、芸術にも、教育にも、科学にも、自由自在に応用してゆくことが出来る「真理」である。ここに、新時代の時代精神があり、世界精神の顕現があり、絶対精神が「絶対無」として顕れているのである。よって、「大和の理念」のもとに、真に日本精神が哲学され、真なる日本精神のもとに、「大和」の理念学術体系が構築されてゆくことが大切なのである。

　「大和」の理念こそが天孫降臨の実相であり、「大和」の理念学術体系のもとに、現実世界の中に、理念の国としての「大和の国」を顕わしてゆくことが、神武建国の実相であり、そこに真なる日本国の実相が顕現してゆくのである。そこに真なる神々の国にして神の国、神の国にして人々の国、人間の国にして霊の国、霊の国にして神の国、仏の国、光明浄土そのもの、光明荘厳たる天孫の国日本が、大調和裡に幸えてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。