諸君よ、衆知を集めるということは、決して妥協をするべきであるということではない。よりよく断行してゆくためにこそ、衆知を尊重しなければならないのである。そのためには、新時代の生き筋が真に観える方を尊重せよ。名を捨て実を取れ。実を尊重して名とせよ。

　積極的に天才偉人を発掘し、尊重せよ。既に評価が定まっておられる方は、さらに傑出した洞察力を尊重して、さらに重用せよ。未だ評価が定まっておられない方は、たとえ年若くとも、その実績や名が充分でなくとも重用せよ。

　重要ポイントをしっかりと押さえよ。核心を押さえて枝葉を伐採し、幹を観よ。木に執われず、山を観よ。今に執われず、国家百年の大計を観よ。現象の日本国に執われず、実相の日本国を観よ。理念の日本国を観よ。一人一人が無常無我なる自我に対する執われを拭い去った時期に、真に国家の生き筋が観えるものなのである。

　言うべき時期には積極的に発言せよ。沈黙すべき時期には沈黙せよ。今こそ、賢人尊重型民主主義の時代を真に切り拓いてゆけ。賢人の洞察力と倫理道徳を尊重してゆけ。賢人達を中心に会議をし、迅速に、正確に、慎重に、国家の大事を恙無く慮れ。その上で「和を以って貴し」とせよ。その上で、自由、平等、博愛の民主主義、自由主義の原理を全うしてゆけ。

　かの吉田松陰という是々非々の思想家（哲人）が居らなければ、どうして新時代の大局が観えたであろうか。かの佐久間象山や、勝海舟や、坂本龍馬や、由利公正や、高杉晋作や、久坂玄瑞や、橋本左内は、すべて真なる哲人である。真なる哲人の証は、その洞察力の鋭さ、深さ、高さ、広さ、柔軟さ、崇高さにあるといえるのである。

　あらゆる「私」の執着を拭い去って、真に「空」の境地をもって、真なる自己像と、真なる国家像と、真なる世界像を探究せよ。真に「坂の上の雲」を観よ。雲の上の太陽を観よ。新時代、新天新地の太陽の昇りゆく様を確かに観よ。

　太陽の国の太陽の実相は、太陽の理念と政策と太陽のリーダーシップによって顕現されてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。