諸君よ、志を同じくする方は、一人でも多くおられた方がよいのである。深い所から信頼し合え、深い所から天命を共有し合えるような方は、地上において真に共に仕事をしてゆけるものなのである。地上で生きている以上、様々な人生の浮き沈みがあるであろうが、そのような流転の中で、志の絆ほど人生の宝となり、闇夜の燈台となるものはないのである。本当の仕事とは、単なる利害関係を超えて、深い所から天命を共有してゆけるかどうかということが、最重要の要なのである。

　天命というものは、移りゆく現象の中で不動不変のものである。そして、個性的実相、個性的天命というものも、移りゆく心の現象の中で不動不変のものである。故に、どのような激流の中においても、本当の志の絆とは、泰然として、確固として壊れることがないのである。

　政治理念も、経営理念も、教育理念も、あらゆる分野における天命としての理念は、移りゆく現象の中にあって超然としている真理を、理念（真善美聖）として中心に据えなければならない。さすれば、その理念に基づいて、政治百年の大計、経営百年の大計、教育百年の大計等を創ってゆくことができるのである。

　こうした崇高な理念のもとに、深い所から志を共有し、お互いの個性的実相、個性的天命を拝み合い、共有し、真に活かし合ってゆけば、不動不変の基軸が形成されるのである。大いなる志の原点が形成されるのである。この理念がしっかりとしたものであり、わかりやすくすべての方に共有されており、移り変りゆく現象の変転の中において、その都度原点回帰し、様々な角度から深め、腑に落としてゆけば、あらゆる時流の中で超然とした運営が出来てゆくものなのである。

　真に国家百年の大計、それ以上の大計が、時代の風雪に耐えうる理念の栄光を輝き放っている時期、その国の威光は巌の如く永遠普遍の生命を幸え、数多くの方に心の故郷を与え、数多くの方の魂と志と大いなる夢を幸えてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。