諸君よ、自然体で歩め。泰然として歩め。小さな智慧を積み重ねながら歩め。焦らず急げ。心境において早く歩め。心境において遅れをとるな。心境において歩を確実にすすめ、心の顕れとしての具体的な諸政策をすみやかに実現してゆけ。一つ一つの決断の積み重ねが、あらゆる面において、日本国の、世界の運命を真に開拓してゆくのである。

　心に常に余裕をもちながら、大きな仕事を多量にこなしてゆくことは本来可能である。常に「禅定」の境地を整えながら、具体的な仕事を推し進めてゆけばよいのである。さすれば、「真理は現実のただ中にあり」といわれているように、現実生活の中において、般若の智慧、般若の叡智が無限に湧き出でてくるものなのである。

　そして、それは、現実、ただ「今」の現実に裏打ちされているが故に、珠玉の如き輝きを放ってゆくのである。故に、諸君らは、徒らに形の上において出家される必要はあまりないのである。「小聖は山に住み、大聖は街に住む」というではないか。大聖は、現実のただ中に住むのである。現実のただ中において、布施行を実践してゆくものなのである。

　故に、形におけるサンガに執われる必要は本来ないのである。実社会の中で、天与の仕事、必要とされている仕事はいくらでもあるのである。その仕事の一つ一つに、般若の智慧、般若の叡智を入魂してゆけば、まさに理念価値のある無限の大きな仕事が手堅く現実に成就してゆくのである。

　何者にも執われなく、天の御心と一体となって歩め。心穏やかに、自然体で、中道の姿勢で、新生日本建設に、新生世界建設に努力精進してゆけ。「今」なすべきことをなしてゆけ。それが、光ある時に光の内を歩むということであり、真に解脱し、天与の菩薩となってゆく道なのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。