諸君よ、 雅やかなれ。心にもののあはれの心をもて。一年の様々な心の風景に対して、万感の想いを込めて和歌を創れ。その新ミレニアム元年と二十世紀を総決算して、諸君らの心の内に駆け巡った感動を和歌に託せ。
どのような立場で、どのようなことをしていても、和歌を通して、大いなる天の心と結ばれていよ。そのままの素直な感情を歌に託せ。心の中に一番印象に残った光景を、言霊の写真の中に刻印せよ。
和歌の和歌たる故は、和の心を本質としている所にあるのである。「和を以って貴しとなす」という国是における和の心を真に探究せよ。和歌を通して、本来の和の心の原点に立ち返れ。
どのような人生の立場においても、その時期にしか詠めない歌というものがあり、和歌を通して、天なる神々が人々の魂を救ってゆかれることもあるのである。真なる言霊を乗せた和歌が、天を動かし、地を動かし、人々を動かしてゆくということが、大和の国の伝統文化の一つである。
故に、和歌を通して、心の平和を実現せよ。和歌を通して、心の調和を実現せよ。和歌を通して、心の理想郷を実現せよ。和歌を通して、どこまでも大和の国を探究せよ。神の国、神々の国とは一体どのようなものであるかを探究せよ。大和なる世界、大調和なる理想郷を顕現せよ。
かの明日香の風も、心の故郷である。かの古事記の風も、心の故郷である。「今」の時代、平成の御代も、永遠普遍なる心の故郷となってゆくことであろう。和歌を通して、イデアの国、理念の国、アルカディアの国を地上に顕わしてゆけ。必ずや、天の御心が諸君らの心を永遠に救われ、天へと導かれるであろう。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。