諸君よ、スポーツを通して心身を鍛練せよ。諸君の心身も精神も鍛えれば鍛える程に、無限に剛くなってゆくものなのである。そして、スポーツを通して人生の幅を広げよ。そして、地上に生あることを謳歌せよ。スポーツの中には、神の一大芸術があるのである。

　何故なら、真に磨きぬかれたスポーツの技は、限りなく合理的でありながら、同時に限りなく美しいものだからである。これは、もちろん一定の型に対して、その方の個性の輝き、精神力の輝きが刻印されたものであるといえるが、その前に、そこに、心身を通して、本来予定されていた神の芸術性、天の芸術性があることを観じてゆかなくてはならない。

　真に剛くあることと、真に美しくあることとは、本来一つである。真に勝者たることと、真に芸術家たることとは、本来一つである。諸君らは「本来肉体なし」として、肉体に執われずして、しかして、肉体という天から与えられた素材に、諸君らの精神の鑿をもって、ミケランジェロの如く、芸術を創造せよ。

　真に鍛えられた肉体に、真に鍛えられた精神の栄光が光輝く時期、そこに、この地上にしかない、永遠普遍の「真象」としてのイデアが生まれる。限りなくギリシャ、ローマ的なるものが、同時に限りなく日本的であり、そこに新生日本ルネサンス、新生地球ルネサンスの鍵もある。

　さすれば、スポーツの中にも、天の栄光を限りなく顕わしてゆくことができる。そして、その精神の崇高さを競うことも出来るのである。その中に限りなく道そのものを探究して、己が悟境を磨き上げてゆくことも可能なのである。

　そして、スポーツの中に、健康増進の道をもっと探究してゆかなくてはならない。健康増進を促すためのスポーツ、武道を、深く、高く、広く探究してゆくかなくてはならない。自他共に心身を守り、健康を増進してゆくことにこそ、真なるスポーツ、武道の王道があるからである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。