諸君よ、和を以て貴しとせよ。それこそ日本精神の中核であり、和の精神の中にこそ、真なる天の栄光、天の光明が宿るのである。まず、諸君らの兄弟と和解せよ。諸君らの先輩後輩と和解せよ。諸君らの先祖や伝統的歴史と和解せよ。
和解するということは、感謝し、報恩の念いを抱き、それ故に無償の愛を注ぐということである。和というのは、表面的な妥協でもなければ、日和見主義でも、御都合主義でもない。真なる和解とは、根源的、本源的に和するということであって、お互いを、真髄において、個性的実相において、個性的本質において、必要不可欠な魂の片われであるということを真に認識し悟ることによって、自他一体の一なる生命、一なる天の御心に帰一するということである。
すべてのすべての地上の生命は、その個性的実相をよくよく観じてみた時期に、あの華厳経の大方広仏の如く、無限無数に連鎖する一つの仏そのものであり、マクロ的大宇宙もミクロ的大宇宙も、すべてのすべての時間空間を一つに結ぶ大仏の生命である。
そして、一つ一つの個性的実相としての仏は、すべての個性的実相としての仏に繋がっており、一仏即一切仏であり、一人一人の生命が、真髄において、実相において、大宇宙の根本仏に繋がっているものなのである。これは、一神即一切神といってもよい。大宇宙の根本神といってもよい。本質的真理は一つである。
故に、よくよくお互いの個性的実相を悟り、真に和を以て貴しとなし、大和の本懐を実現していただきたい。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。