諸君よ、極力他者の悪い所や欠点を暴くことなかれ。何故なら、どのような方であっても、地上に生きている限りにおいて、悪い所や欠点はあるものであるからである。

　しかし、悪い所や欠点とみえしものが顕れた時に、必要以上に悪い所や欠点に執われて、それを暴こうとすれば、自分自身の心と縁をつくってしまい、自分自身の内なる悪い所や欠点が顕れてくるようになってしまうというのが心の法則であり、実際によくあることなのである。

　しかし、常に相手のことを真に愛しきり、愛故にその方の実相を拝み出し、愛故にその方の善い所や長所を誉め学び、さらに伸ばしてゆこうと愛念を注ぐ時に、その方自身の実相や善い所や長所と縁が出来、自分自身の内にも、より一層素晴らしい実相が顕現し、相手の有している善い所や長所の種子も育まれ、その方も、より一層善き人となって顕れ、自らも善き人となって生長し、より一層豊かな人間関係が育まれ、繁栄と平和、幸福を創造してゆけるといえるのである。それこそ大いなる豊かさの大道ではないだろうか。

　故に、どのような方であっても、常に相手の実相を拝み出せ。相手の美点長所と交わり学んでゆけ。さすれば、全ての方が師となり、親友たりうるのである。すべての方が、天使となってゆき、観世音菩薩となって立ち現れてゆくのである。迷いは必ず自滅してゆくのが天の摂理である。

　諸君らは、迷いの奥にある実相のみを礼拝せよ。迷いに決して執われることなく、美点や長所のみを誉めたたえよ。そして、無限に学び、生長せんとせよ。それこそ、真なる謙虚さと円満な人格の王道であり、無限に人間関係と豊かさに恵まれてゆく道であるといえるのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。