諸君よ、本当に自己信頼できている方程、他者を真に敬えるものである。本当の自己信頼なきが故に、必要以上に傲慢になって、他者を見下したり、必要以上に虚栄心を出して、他者によくみられようとしたりするのである。
真に自己信頼できていれば、自分の「ありのまま」に幸福感を感じているのであるから、必要以上に他者に執われないのである。それを本当の自由人という。他者に縛られないからこそ、自由人なのである。他者に縛られないからこそ、公平に他者を評価し、他者を祝福し、讃嘆することができるのである。
自分自身を真に愛することができる方は、同時に他者も真に愛することができるのである。そこに、真なる自他一体の境地が現れるのである。自分の自我に執われている内は、真に他者を愛することも祝福することもできないのである。自分の自我に執われず、真に自己信頼できた方のみが、真に他者を愛し祝福できるのである。
故に、真に独立自尊の精神をもっておられる方程、真に信頼できるのである。何故なら、そこに本当の愛が生まれるからである。一身独立し、真に自分自身を尊んでおられる方は、同じく他者を必要以上に縛ろうとせず、他者の独立を尊び、他者の個性を尊んでおられる方が多いのである。お互いに尊いものであると思えるからこそ、そこに本当の友情が生まれ、同志の絆が生まれてゆくのである。
その意味において、精神的に独立して自己信頼できるということは、自己教育の上で最も大切な精神であるといえるのである。そこから、真なる大愛が生まれてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。