諸君よ、自己信頼ということは大切なことである。本当の意味で自分自身を信ずることなくして、決して他者を信ずることも世の中を信ずることも出来ないのであるということを、知らなくてはならない。

　自己信頼こそが、愛の原点なのである。本当の自己信頼とは、自己に内在されている唯一無二の個性的実相を確信するということである。唯一無二なる自己固有の宝が、自分自身の内に秘められていることを確信するということである。そして、自分自身の個性的実相は、必ず磨けば、自らに最も適した道で光り輝き、世を照らす光明たりえるのであるということを確信することである。

　故に、自分自身には絶対的な存在理由があり、絶対的な存在価値があるということを確信することである。たとえ未だ磨かれざるといえども、外なる世界のどのような物質の宝石よりも価値がある宝石が、自分自身の内に実在していることを確信することである。

　さすれば、自分自身でも、もっと自分自身を大切にしようという気持ちが自然に湧いてくるであろう。自分自身の唯一無二なる個性的実相の宝石を磨き出してゆこうとする志が湧いてくるであろう。そこから、｢大いなる夢｣が自然に描きたくなるであろう。そのために精進しようという意欲が湧いてくるであろう。それを、本当に自分自身を愛することというのである。

　さすれば、すべての方の内なる個性的実相を尊重しようという気持ちが自然と湧いてこられるであろう。それが、本当に他者を愛するということである。同時に日本国の個性的実相、個性的伝統精神を尊重し、愛そうという気持ちが、すべての国の個性的実相を尊重し、愛そうという気持ちと同時に、湧いてこられるであろう。それが、本当の愛国心であり、世界平和を願う心である。すべてのすべては、圧倒的なる自己信頼から始まってゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。