諸君よ、諸君らは、人生の途上で数多くの悲しみに出会ってこられたことであろう。しかし、悲しみと出会った時に、悲しみをあまりにも心に強く印象づけてしまってはならない。

　ありとしあらゆる現象は、あなたの心の用い方次第によって、いかようにも姿を変えるのが真理であるから、あなたの心の態度いかんによって、その悲しみの中にさえ希望を見出し、明るさを見出してゆくことはできるのである。

　あなた方は、心の中から、今まで蓄積してきた暗い想念をすべて捨て去ってしまいなさい。一切の暗き過去に執われてはならない。どのようなことがあろうとも、その中に光明面を発見し、次なる成功のチャンスへと成してしまいなさい。そして、全てを光明面から評価して、プラスの意味と使命と役割を観じて、心の中で明るい想念へと変えてしまいなさい。

　心に強く印象づけたことは、その内容が、同じ暗い事件を魅きつけることが多いのである。それは、本人の心の善悪に関わらず、心の法則によって、不幸になる暗い想念をいつまでもため込んでいると、世界にある不幸な暗い想念を、招きつづけることになってしまうのである。

　故に、私は常に述べておきたい。全ての悲しみを笑い流してしまえ。朗らかな微笑みをもって心の中を射照らしなさいと。悩みも朗らかな風に流してしまって、その事実に対して、積極的に建設的に取り組んでゆきなさいと。

　さすれば、心の中は、常に明るく積極的な想念のみで、満ち満ちてゆくようになってゆくであろう。このような明るく積極的な思いをもっておられる方は、それだけでも、世界中の方に向けて、明るく積極的な念波を、発しつづけているといってよいのである。

　故に、諸君らは、悲しみと出会った時ほど、心を積極的に明るくせよ。過去に暗いことがあった時ほど、心を積極的に明るくせよ。それが、人生を明るくする精神態度なのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。