理念情報

 「哲学的コラム」
Japanese Dream Realization



「哲学的読書の基本姿勢について」



 数多くの古典的良書に親しんでゆくということは、最大の美徳である。しかし、読書にばかり追われて、自ら考えてゆくことを怠ってゆけば、常に受け身の姿勢でしか物事を観じられなくなってしまう。その意味において、本を読むのではなく、本に読まれてしまうようになることは、ある面で避けてゆかなくてはならない。

 時には書を閉じ、自ら考えてゆく習慣を培ってゆき、自ら学んだことを一度白紙に戻して、積極的に根源的な「問い」を設け、自ら自身の良心と理性と感性において、主体的に思索してゆかなくてはならない。そのような精神態度の連続の中から、真なる独自性が生まれ、真なる叡智の結晶が生まれ、真なる思想、信条が生まれ、真なる哲学が生まれてゆくといえるのである。

 その意味において、自らが学んだことを一度白紙に戻して、ありとしあらゆる先入観や偏見を払い去って思索してゆくことが肝要であるといえるのである。常に思索してゆく習慣を創ってゆけば、真に思索が少しずつ出来てゆくようになり、そこから、哲学者の芽が伸びてゆくようになるといえるのである。そして、思索した内容の内実があれば、それこそ、真に自ら確信する思想となってゆくのである。

 自ら思索したもののみが、真に自らのものとなってゆくということは真理なのである。ある面において、無知の知の原点に常に自らを運んで、無知の知であるが故に学びつづけてゆくだけではなくて、無知の知であるが故に、一度あらゆるものを白紙にして、主体的に思索しつづけてゆくことが大切なのである。

 一行の真理を学べば、その十倍も、百倍も思索しつづけてゆくことの中から、真なる叡智の結晶が生まれ、真なる哲学者が誕生してゆくのである。



〔 理念光明祈念歌 〕
無知の知を
自覚すること
学問の
初心にありて
春風の吹く
(貴)



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