諸君よ、福澤諭吉に『学問のすすめ』という書があるが、学問の根本とは、「法則」を認識することである。「法則」とは、「真理」であり、それは、あらゆる現象を統べるものである。
自らの理性と経験によって、「真理」としての「法則」を認識して、それらを積み重ねてゆくことによって、学問は前進してゆくのである。
学問の本質とは、この「法則」を認識し、応用実践してゆくことである。同じく、哲学の本質とは、「法則」を認識し、応用実践してゆくことによって、人生に幸せを実現してゆくことにあるのである。
理念とは、人生から遠く離れたものではなく、人生の中にこそ、真理はあるのである。この真理を一つ一つ学び、思索し、積み重ねてゆく営みこそが、学問をするということなのである。
学問をするということは、また、一人一人が哲学者になるということでもある。哲学者として、理念の法則を一つ一つ発見し、学び、実践して、叡智へと成してゆくことなのである。
プラトンからヘーゲルに到る所の、法則としての叡智を探究する哲学的営みは、古今不滅の絶対精神である。
学問を通して、真理を問い、学び、実践してゆく中において、「法則」としての真理は、自他共に、数多くの幸福をもたらしてゆくのである。
このように、一人一人が哲学者になるということが、真なる「学問のすすめ」の本質なのである。