塾生諸君に述べておきたい。「平成の慶応」の時期にあたっては、坂本龍馬や、勝海舟や、由利公正のような人財が肝要である。由利公正も、坂本龍馬が発掘された方で、政府の貨幣発行権を発動されて、明治維新政府の財政危機を救い、実質的に明治維新を成功された立役者であられるといえるのである。

　現代にも、由利公正のような人財が必要であり、大幅なデフレギャップ、供給過剰、需要不足の経済状況があるので、政府の貨幣発行権を行使して、政府紙幣を発行すれば、無借金で、政府の財政は潤い、また、総需要は換起され、景気は自ずから回復し、日本発の世界恐慌の恐れを防ぐことが出来るのである。

　もしくは、小手先のようではあるが、かの高橋是清がなされたように、政府の国債を発行して、日銀に引き受けて頂き、その分、政府が大型の財政出動をすることによって、総需要を換起し、景気を回復させ、株価を向上させるということも考えられる。

　さらには、日経平均株価が二十年前の水準になっている訳であるから、貿易立国の日本としては、逆プラザ合意を了承して頂き、円安に誘導してゆくということも考えられるのである。

　いずれにしろ、中曽根康弘元首相や、橋本龍太郎元首相等、首相の周囲を固めてゆく層を厚くし、日本国民が、そして、日本国のリーダーの方々が一丸となって、国難を突破し、世界難を突破してゆかなければならないといえるのである。

　真に圧倒的善念を結集し、衆知を結集し、天命を自覚し、事に臨んでゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。