塾生諸君に述べておきたい。かの弥勒仏のように、真に平安な心境を旨としてゆこうではないか。平安な微笑みを旨としてゆこうではないか。かの菩薩像の内には、永遠普遍なる真理が黙示されているように思えるのである。哲学者としての弥勒菩薩、弥勒仏が何を思索しておられるのかということを、真に思索しようではないか。

　真理というものは、大宇宙大自然の理法である。大宇宙大自然の理法であるからこそ、真なる自然法となるのであり、人為法を超越した法となるのであり、永遠普遍なるものとなるのである。故に、大宇宙大自然の理法をこそ、真なる国際法として考え、真なる憲法として考えてゆこうではないか。

　理念の国際法の実相も、理念の日本国憲法の実相も、当然、普遍なる大宇宙大自然の理法にあるといえるのである。その意味において、日本国憲法の根本理念の一柱は、「基本的人権の尊重」であり、国際法もまた同じであるから、「基本的人権の尊重」という観点から、憲法解釈もされるべきであるし、行政法解釈もされるべきであるといえるのである。

　この「基本的人権の尊重」ということこそ、真なる国際平和の基であって、これが崩れているようでは、国際平和は真に成就されるとはいえないのである。一人一人の言論人や、哲学者や、思想家や、芸術家の表現の自由が保障され、個人の自由を保障されることによって、公の福祉が増進し、国益、地球益が増進してゆくことが本来の姿であるといえるのである。

　真なる平和主義を実践してゆくためにも、個人の基本的人権を積極的に保障し、個人の私的自由や、私的財産等も積極的に保障し、真なる自由と平和と光明の仏をもって、弥勒菩薩、弥勒仏の像としてゆけば、真なる日本国の真姿が顕れ、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。