塾生諸君に述べておきたい。人間の美徳の中で最も大切なものは、人間を信ずることである。人間を愛しきることである。もちろん、信ずるということは、すべての方に宿っている神性、仏性、理性、良心を信ずるということであり、それ故にこそ、どのような迷いの現象にも執われることなく、真なるその方の実相を愛しきることが出来るのである。
その意味において、深い哲学をもって信頼関係を構築してゆくことは、人間関係はもちろんのこと、宗教的精神においても大切なことである。人間は、誰しも初心においては信仰心をもち、永遠の誓いをなすけれども、様々な迷いにつまずいて、いつのまにか信仰心を見失い、退転してゆく悲劇も多いといえるのである。
その根底には、迷いと誤解があるのであるが、それらを一つ一つ丁寧に解いてゆくことが大切であるが、それ以上に、つまずく方々をも愛してゆく、許す愛、光一元の光明思想の愛が大切であるといえるのである。
光一元の光明思想の愛というものは、絶対愛であって、相手の迷いの現象に執われない愛なのである。この光一元の光明思想の愛を徹底してゆくだけでも大変な魂修行であって、その真義を真に体得してゆくことは難しいものなのである。
どのような迷いの姿にも執われずに、永遠なる神性、仏性、理性、良心を観じてゆくことは、真なる許す愛と、真なる智慧と、真なる光明思想の習慣がなければ出来ないことなのであり、それ故にこそ、光一元の愛に成功し、勝利した時には、一大光明芸術が築かれてゆくといえるのである。
光一元の光明思想の愛のもとに、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。