塾生諸君に述べておきたい。有事法制の研究がなされているけれども、常日頃から、有事の学問を積んでゆくことは、真に家庭を守り、会社を守り、学校を守り、地域社会を守り、国家を守り、地球という星を守ってゆくために大切なことなのである。
この「私」の守りを固めるということが、真なる「公」の天命であり、国家の天命であるといえるのである。その意味において、国家という基盤の大切さをよくよく認識しておき、亡国の因を、一つ一つ丁寧にイノベーションし、興国の因を、一つ一つ丁寧に付け加えてゆかなくてはならないのである。
平和の哲学と有事の哲学というものは、本来、表裏一体のものであり、真なる平和の哲学というものは、その内に、有事に対する深い洞察力を含ませながら、その長所と短所を徹底的に分析しておくことが肝要なのである。
そして、平和の内において、平和が故に堕落してゆく方々に、平時の倫理道徳の大切さを教え、有事が故に堕落してゆく方々に、有事の倫理道徳の大切さを教え、真に、どのような時代においても、どのような環境においても、確実に発展繁栄してゆく大道を教えてゆくことこそ、真なる学問であるといえるのである。
真に活きた学問の中には、有事の学問も実在し、真なる人財養成の中には、有事の教育も実在するのである。その上で、国際的外交のプロフェッショナルな人財を数多く養成し、国際情勢の中において、「戦わずして勝つ」の最善の道を常に選択してゆくことの中から、繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の大道を築いてゆけばよいのである。
真なる平和の哲学のもとに、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。