塾生諸君に述べておきたい。「哲学的人間学」というものこそが、真なる「人間観」をもち、真なる「世界観」をもち、ひいては、真なる「国家観」をもち、真なる「天命観」をもってゆくために、必要不可欠なものであるといえるのである。
「哲学的人間学」の本義とは、人間が、根本において「理念(イデア)的実在」であり、あらゆる諸現象を超越しながら、あらゆる諸現象に内在されている、大宇宙、大自然の「理法」と本来一つであり、大宇宙、大自然の「理法」に生かされている「生命」であるということの「自覚」なのである。
この「理念(イデア)的認識」から、根本的な「信」(TRUST)が生まれ、天を信じ、地を信じ、人を信じてゆく基本姿勢が生まれてゆくのであり、根本的な「信」(TRUST)を通してこそ、真なる天の栄光が、無限無数に地上に幸えてゆくといえるのである。
故に、「諸学の学」としての「哲学」は、人間にとって、本来、必要不可欠な「生命の糧」であり、「善く生きる」ことの根本支柱であり、人生の背骨となり、会社や学校や家庭の背骨となり、国家や世界の背骨となるものであるといえるのである。
故に、積極的精神態度をもって、大宇宙、大自然の理法としての「真理」を探究し、常に内省しながら、実人生、実生活、実社会の中に応用実践しつづけてゆけば、その永遠普遍性をもった天上的な叡智的光明そのものが、真に地上世界に顕現し、幸え、繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の大道を実現成就してゆくのである。
あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。