塾生諸君に述べておきたい。真に日本国を愛するということは、真に独立自尊の国際的日本人を育ててゆくということであり、明朗親和の国内文化風土、並びに、国際文化風土を育ててゆくということであり、同時に、真なる日本の哲学、日本の宗教、日本の芸術を、深く高く広く探究し、実践倫理、実践道徳として体現してゆくということなのである。
まず、人格者として、「気品の泉源、知徳の模範」たりうるような真なる君子的リーダーを、様々な分野において育成してゆくことが、真に国を愛することにつながり、さらに、地球という星を愛することにつながってゆくのである。
故に、表面的なイデオロギーにだけ執われるのではなく、もっと根源的な所から、人格そのものを深く見つめ直し、人格教育そのものの「質」を高めてゆくことによって、様々な政治的、経済的、法学的立場の中にも、真なる「魂と志と理念」が宿ってゆくことをもって貴しとしてゆこうではないか。
表面的なイデオロギー以前に人格が実在し、表面的な諸政策以前に人格が実在し、表面的な諸ドグマ以前に人格が実在し、立派な人格を、長期的ビジョンに立脚して養成しつづけておけば、どのような時代環境の中においても、人格の立場に立脚した、正しい判断が出来てゆくのである。
そして、真なる人格的「善」に裏うちされた正しい判断の積み重ねこそが、永い眼でみて、必ず、天地人を貫いた天の栄光に報いられることになり、無限無数の福徳を、地上に供給してゆく源となってゆくのである。
真に「魂と志と理念」に裏うちされた理念(イデア)教育をなしつづけてゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。