塾生諸君に述べておきたい。「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らずと言えり」という言葉は、「学問のすすめ」の冒頭にある「真理」である。しかし、あくまでも、「天の御心」(天の摂理)の下に、本来「平等」の「理念価値」を有しているのであって、「平等」の精神を大切にしてゆくということは、「天の御心」(天の摂理)に対して、真に心「虚しく」あり、「知的廉直」の精神を見失わず、真なる「フィロソファー」として、「エピステーメ」(「叡智」)を探究しつづけてゆく所に、真骨頂が実在しているといえるのである。
その意味において、真なる「学問」を通して、自らの「精神」を磨き、「徳」を修め、「修身」「斉家」「治国」「平天下」を成してゆく所にこそ、真なる「学問」の真骨頂があるといえるのであり、真なる「知徳合一」「知行合一」の精神が活き活きと躍動している国家においては、自然な「自由」と自然な「秩序」が生まれ、自然な「公」に対する奉仕の心と「私」に対する尊重の心が生まれ、「統合」と「個性の開花」した世界、「夢の実現する国」が生まれてゆくといえるのである。
真なる「学問」の本質とは、自分自身の「理念」(「イデア」)を、哲学的精神をもって「認識」してゆく所に実在するのであり、そこから、真なる「自己信頼」「独立自尊」「自主独立」の精神態度が生まれ、「他者」に対しても、「地域社会」に対しても、「国家」に対しても、「地球という星」に対しても、深い敬愛の念いが生まれ、そこから、徳治主義的自由社会が、徳治主義的平等社会として、徳治主義的博愛社会として、真に育まれ、創造されてゆくといえるのである。
真に「天の御心」を大切にして、あらゆる方々に潜在している「理念価値」(イデア価値)を礼拝してゆけば、真なる哲学的精神の下に、「繁栄大革命」が成就し、「新生日本ルネサンス」「新生地球ルネサンス」「新生宇宙ルネサンス」の「一大光明芸術」の大輪の華が真に開花してゆくのである。
一人一人の「人格の尊厳」を大切にしながら、同時に、「地域社会の尊厳」を大切にし、「国家の尊厳」を大切にし、「地球という星の尊厳」を大切にしてゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。