塾生諸君に述べておきたい。常に「無知」を自覚することによって、「痴」の状態を認識し、智恵の光明、叡智の光明を求めてゆくことは、人生において最も大切なことである。真なる学問の本質とは、あらゆる分野において、「痴」の状態から脱却し、智恵の光明をもって、自己を真に救い、他者を真に救い、国家を真に救い、地球を真に救ってゆくことにあるのである。
その意味において、まず、自分自身のことを自分自身で救ってゆくために、「修身」としての学問を修めてゆかなければならない。真なる「自己」を培ってゆく過程を通して、後ろ姿をもって、「他者」を救い、「家庭」を救い、「学校」を救い、「会社」を救い、「地域社会」を救い、「国家」を救い、「地球」を救い、「宇宙」を救ってゆかなければならない。
故に、真なる「自己実現」を、永い人生において成し、真に「善く生きる」ためにこそ、真なる智恵の光明を尊び、叡智の光明を尊び、自らの「心」をもって「心読」し、知徳合一、知行合一の精神をもって実践してゆかなければならない。
真なる哲人の王道とは、万人が真に歩んでゆくことが出来るものである。そして、真なる「真理」は、実生活、実人生、実社会を物心共に豊かにしてゆくものである。大いなる「忍耐」心をもって、日々、自助努力を積み重ねてゆけば、真なる智恵の光明こそが、大いなる愛の光明として、根本から自己を救い、他者を救い、「私」においても、「公」においても、「自他一体」に活かし、真に福徳に満ち満ちた人生を創造してゆくことが出来るであろう。
真なる「光明の哲人」として、真に無知を脱却し、真に光を掲げながら、日々、王道を歩みつづけてゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。