塾生諸君に述べておきたい。「知は力なり」というが、まさしく真なる「学問」とは力の源である。真なる「哲学」とは力の源である。真なる「科学」とは力の源である。諸君の実生活の到る所に科学的知性の「叡智の結晶」が存在し、哲学的知性の「叡智の結晶」が存在しているのである。それらの人類の諸賢諸哲の成果の真髄を、真に「学問」を通して心「素直」に学び、実生活、実社会へと「応用」し、活かしていってはじめて、「真理」は生き生きとしたものとして、本来の「恩恵」をもたらしてゆくのである。
その意味において、全人類は、到る所で「叡智の結晶」に生かされているといえるのであり、「真理」の恩恵のない人生など考えられないという「原点」に常に立ち返って、よくよく「真理」に感謝をし、報恩の精神をもって、積極的に「真理」を「応用」し、人々への愛として活かしてゆかなければならない。
その意味において、「真理」とは、本来「倫理道徳」と「法の精神」のもとに、実生活、実人生に活かされてゆくことをもって真なる社会性を得るといえるのであり、あらゆる「科学」(社会科学を含む)の根底には、常に「倫理道徳」と「法の精神」が不可欠であるといえるのである。
従って、あらゆる「真理」というものは、全人類にとって「七宝」の如き真実在であり、価値の源であり、真なる繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の源であるといえるのである。「真理」とは、究極の価値的実在であり、全人類、全生命の尊厳の源にあるものであり、あらゆる生命に本来ある光明を与え、真に光輝かせてゆくものであるといえるのである。「真理」を「善」の精神をもって活かし育んでゆけば、あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。