「義塾メッセージ」
Japanese Dream Realization





「諸学の学としての哲学を根本から悟得し応用実践してゆけば経済危機は克服され理念経済学が生まれてゆく」



  塾生諸君に述べておきたい。哲学というものは、ソクラテス、プラトン、アリストテレス以来、究極的価値の実在というものを真に発見し論証してゆくことに本質があったのであって、それは、中世のトマス・アキナスを経て、デカルト、カント、ヘーゲルに到るまで一貫して流れている精神態度であり、哲学の根本であるといえるのである。すなわち、哲学とは、諸学の学である以上、あらゆる学問の源には確固たる哲学が実在するのであり、哲学を失った学問など本来学問であるとはいえないのである。

  例えば、経済学であっても、その根本には明確な哲学が実在するのであり、究極的価値が実在するといえるのである。これは、法学においても、経営学においても、科学等においても、基本的に大切な観点である。それ故に、近代経済学の根底にも、潜在的に明確な哲学が実在しているのであり、潜在的に明確な究極的価値が実在するといえるのである。この潜在している理念価値を明確に顕現させてゆこうとする立場が「理念経済学」であり、「理念資本主義」であり、「理念自由主義」であるといえるのである。

  これは、マルクス等の「唯物論経済学」の対極に位置する観点であり、「唯物論的共産主義」「唯物論的全体主義」を根本的に論破し、「近代経済学」や「資本主義」や「自由主義」の欠陥を根本から補いながら、なおかつ、その理念的、実相的、実在的真理を拝み出してゆく立場であるといえるのである。近代経済学システムにおけるマルクス等の指摘した失業と不況について、それを「資本主義」「自由主義」「民主主義」の立場から根本的に克服せんとする政策こそが正統なる「ケインズ経済学」の位置づけであり、それは、「ハイエク経済学」と実質的に相補いながら、マルクス等の「唯物論経済学」を具体化した政治経済システムをもつ諸国に対して、実質的に勝利をおさめていたといえるのである。

  故に、正統的ケインズ経済学の真髄を根本的に重視し実践しながら、同時に、ハイエク経済学の真髄を大切にし、「今」日本国が置かれている、「不況」という十年以上続く経済的病理現象に対して処方してゆかなければならないのである。基本的に、国家あってこその国民であり、有効需要あってこその不況克服であり、理念(究極的価値)あってこその哲学であるということをよくよくわきまえた上で、賢明な諸政策を選択し、実践し、その背後に、国家としての究極的価値を発見し、顕現してゆかなくてはならない。

  日本国民として、世界市民として、真に哲学の歴史の原点に立ち返り、心「素直」に実践してゆけば、自然に真なるリーダーが育成され、積極的なリーダーシップが育成され、心身共なる繁栄と健康を通した平和と幸福と文化創造の国、神の国、仏の国、理念(イデア)の国が現成してゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである



〔義塾光明祈念歌〕
大いなる
の 帆を
たつ
 智慧
 の海
  マリンブルーの
晴けし
(貴)        .



[ 2001年5月9日 ]



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