「義塾メッセージ」
Japanese Dream Realization





「国家あってこその国民であり 有効需要あってこその日本経済 世界経済である」




 塾生諸君に述べておきたい。経済学における原理原則は単純である。「有効需要」を真に創出してゆかなければ景気は回復せず、日本経済全体が不況となり、恐慌への危険すら孕んでいるといえるのである。ところが、「今」、日本政府が主として選択しようとしていることは、国家としての「有効需要」を削減してゆく方向への舵取りなのである。

 原則として、国際的競争力のある民間企業の「主体性」「自主性」「自助努力」を尊重してゆくことは大切であるが、それは、「公」や「政府」や「国家」の働きを消極的にしてゆくことを必ずしも意味しないのである。真なる「私」や「個人」や「企業」が、国際的競争力をもって活動できるような磐石な土台を創ってゆくことこそ、真なる国家の使命であり、条件であり、誇りなのである。

 故に、不況下において、「有効需要」が不足している時期においては、国際的競争力のある「私」や「個人」や「企業」を真に育てながらも、同時に、国家としての「有効需要」を積極的に創出してゆかなければならないのである。それは、失われた十年において、橋本龍太郎元首相や故小渕恵三元首相が身をもって国家規模で既に実証されたことなのである。「今」置かれている日本国の経済状況は、「今」なお不況であり、故小渕元首相が首相就任された時期の状況と根本的に変わっていないのである。

 故に、故小渕元首相や、橋本龍太郎元首相や、リチャード・クー氏や、小室直樹氏や、丹羽春喜氏等が述べられていることが経済事象に関する真実であって、「今」の日本政府の選ぶべき経済政策は、「有効需要」維持拡大政策以外に基本的に無いのである。

 それを前提とした上で、国際的競争力のある「私」や「個人」や「企業」を育ててゆくために、それを束縛している諸規制を無くしてゆけばよいのである。あくまでも、「公」があっての「私」であり、「国家」があっての「個人」であり、アメリカやEUを中軸としての国際日本外交であり、アジアの平和と安定と繁栄なのである。その基本的な「生き筋」をよくよく見定め、踏み固め、金剛石の如き土台とした上で、日本国の「国のかたち」を論じてゆくことが大切なのである。

 その意味で、政治と経済と法律と文化と教育は、本来一つである。そのことをよくよく弁えた上で、政治大国、経済大国、文化大国の責任と使命と天命を、朗らかに、伸びやかに、慎重に、厳かに、真なる国際的視野に立って、「独立自尊」「自己信頼」「自主独立」の精神をもって成し遂げてゆけば、日本国の未来も、地球の未来も、宇宙の未来も、真に明るいものとなってゆくしかないのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。



〔義塾讃歌集〕
 
 在りて
独立自尊
   人の
在り
新生
  日本
あめつち
天地
開闢
(貴)           .



[ 2001年4月27日 ]



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