投手 |
: |
天に祈る気持ちなのだ。
天より頂いたこの霊気をもって、
この球を投げるためにね。
同志一同、ここに集まり、
精神を統一して守備につこう。
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キャッチャー |
: |
この球を投げてみてはどうだ。
このスローカーブなら打てまい。
けれど、このバッターは、
何を考えているのだろうか。
この世紀の始まりに、
ふさわしい球を選んでいるのに。
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内野手 |
: |
いつでもここへ球を投げて。
待っているから。
剛い牽制球でもいいよ。
相手チームを黙らせるような。
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外野手 |
: |
そろそろ時間が来たのだね。
君の投球が冴えて、
誰も打てなくなる時が、
その時期だ。
君こそ直球で勝負するのだ。
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投手 |
: |
スタミナには自信がある。
このポケットには青いハンカチ。
汗と涙もOKさ。
だって、君達へ投げるボールには、
全て印が入っているのだ。
私の手のひらに握ったままの、
汗の結晶がね。
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バッター |
: |
なんと打ちにくい投手だ。
君の球を打ち返すには、
何が必要なのだ。
智慧か、イデアか、
それとも大和魂か。
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投手 |
: |
私の大和魂を打ち返せるならば、
打ち返してみてほしい。
それだけの気合を入れて、
魂の球を投げているのだ。
この智慧とイデアと、
そして、大和魂の結晶を。
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キャッチャー |
: |
それでいいのだ。
さあ、君の青春を投げよ。
君の魂の軌跡を、
ここで証するのだ。
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内野手 |
: |
さあ、私達が見守っているから。
想念のエールを送るから。
天をみつめて、
鳳凰の舞をみたら、
さあここで、一球、
君の勝負球を投げるのだ。
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外野手 |
: |
どうせここまで飛んでこない。
打てる球ではないのだから。
けれど、君を見守っている。
遠くからでも君は近い。
近くからでも君は遠い。
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バッター |
: |
さあここに、直球が来る。
それを真っ直に振ろう。
たとえ三振に終わっても、
悔いはない。
だって、君の大和魂なのだから。
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投手 |
: |
私の球を選んでいるな。
ならば、ここでストレート、
という訳にはいかぬ。
少し変化球にしてみるか。
この秋の空に似合う、
投球を、天に祈りつつ、
なしてみようか。
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キャッチャー |
: |
少し外してみたらいい。
そして、様子を観よう。
このバッターは
優しい瞳をしている。
どうしてこんなに大らか
なのだろう。
君を包む大海のように、
君を包む大空のように、
澄んでいるのだろうか。
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観客 |
: |
これは見事な投手戦
鳳凰の舞い
ここにあり
青空の下 陽の光
君の心に 射している
大和武命ありて
君の心に注いでる
川の流れの清さこそ
君の勇姿の象徴なり
高砂の松 幾重にも
大海包む
君の球
宝殿山に 人登り
レンズを通して
君を観る
松の波風 君は受け
永遠を語れり 久遠の色
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投手 |
: |
君は忘れはしないよね
この投球と魂と
何か余韻を遺したら
きっと君の胸を打つよね。
この海風の山越えて
嵐の中に吹き出でた
神々の生命の水を
側に受け
魂の球 投げるなり
たとえ道は別れても
必ず還ってくるからと
君の魂呼びさます
この直球に勝負した
君の瞳を忘れない
遠い記憶の言霊で
私の魂を眠らせて
君の微笑み語るから
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キャッチャー |
: |
君の魂 忘ない。
白い不死鳥 歌のごと
君の魂 忘れない
青い色した黄色鳥
君の魂 忘れない
この青天に誓うから
さあ安心して投げてみて
君の魂 呼ぶ声の
遠くこだます
あの声は
あの人のことを映し出す
君の微笑み忘れない
君の魂込めた歌
この球場に響かせて
永遠の時 刻むなり
どんな写真が遺ろうと
君の魂 映すだけ
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投手 |
: |
この球に
込めた念いの千万年
続く想念 陽の射して
大空に舞う
不死鳥の
祈りははるか
必然の
出会いとなりぬ
神々の
縁のありて
ここに投ぐ
この魂は忘れない
この魂は忘れない
たとえ涙を落とそうと
この魂は忘れない
この魂の一球に
全てを込めて投げるだけ
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観客 |
: |
この魂の一球に
全ての青春 祈り込む
この魂の一球に
明日への希望 祈り込む
この魂の一球に
君への想い 祈り込む
この魂の一球に
イデアの飛翔 祈り込む
この魂の一球に
君は何を語れるか
この魂の一球に
祈り込むのは青春の
永遠の価値 イデアなり
日ノ本のイデア ここにあり
日ノ本の理念 ここにあり
今こそ起たん 永遠の空
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