諸君よ、勝者の条件について述べておきたいと思う。勝者というものは、まず精神力において勝利を勝ち取るものであって、その勝敗の分岐点は、確かに精神力の違いに求められるのである。
この精神力を磨くということには果てはない。まさしく無限への挑戦であり、永遠なる自己への挑戦である。戦いを通して自己の精神力を磨き、限りなく雄大なる精神へと発展させてゆくことこそ、戦者の努めである。その意味において、日々日々前進してゆかなくてはならない。その積み重ねが、やがて本当の王者の風格というものを創ってゆくのである。
王者の風格が、その器量として充分に出来ていない者は、本当の王者となる資格がないのである。天には天の時というものがある。天の摂理というものがある。自助努力は地上の人間の努めであるが、その成果は、すべて天に委ねられるべきものである。天は、必ずや、本来王者となるべく予定されている方であっても、その時というものを必然的に決められるものである。王者としての器量が真に充実してきた時に、本当の道が拓かれるものなのである。
それまでは、どのようなことがあっても、不撓不屈の精神をもって、自己との戦いに勝利してゆかなくてはならない。自己の弱さを象徴するあらゆる困難や誘惑に打ち倒されてはならない。勝利の暁を信じて、一貫した信念を貫いてゆかなくてはならない。大いなる夢をもって、大いなる希望をもって、朗らかに、楽天的に、建設的に、積極的に、自己に与えられた道を邁進してゆかなくてはならない。そして、精神力において、日々これ勝利の念いを積み重ね、来たるべき時期に備えなければならない。
運命とは、自己の人生のすべてを賭けて切り拓いてゆくものである。そして、自己の内に眠っている可能性を一つ一つ開花させながら、切り拓いてゆくものである。己を信じ、同志を信じ、世間を信じ、天を信じきってゆく者には、必ず道は拓ける。必ずや、新天新地が拓けてゆくのである。あらゆる面において、すべては善くなってゆくしかないのである。