「哲学随想」
Japanese Dream Realization



 「真理を糧にしながら真理を創造しつづけてゆくこと」



 神の見えざる手は、あちらにもこちらにも真理の鉱脈を創り、無限無数の道を創って下さっているし、今なお、同時進行で、様々な所において道が創られつづけている。世界の到る所に良書はあり、その一つ一つに神の福音が刻まれている。真理が到る所に顕現しており、それぞれに天上世界へと魂を誘っているかのように見える。

 たとえ、一日に一時間でも、様々な真理の書、古典の書に接する時間をとっていれば、その一時間が人生を根本から昇華せしめる。毎日人間は新生してゆく。故に、同じようでいながら、微妙に異った世界に心が通じてゆき、読書の幅、思索の幅を与えられるものである。

 読書に基づいて生まれる思想も、微妙に意味を変じてゆく。総合的にみれば、それぞれの時期に相互作用しながら、異なった花をつけるのが人間の精神である。新たに真理の糧が与えられれば、それだけ魂は成長してゆく。どのような古典からも、良書からも、魂は成長の素材を見つけ出さずにはおかない。

 新たな発見は、新たな創造の契機である。未知なる世界は、新たなる自己創造の可能性を現しているのである。「すべての書は読まれたり、肉の身は悲し」と詩人が謳われているが、一生の問で、すべての古典、良書を読むことなどとうてい出来ないであろう。たいていの方は、カントを精読したかと問われても、入門書すらしっかりと読めていないことが多いし、ユングを精読したかと問われても、医者でも読みこんでいないことがほとんどである。

 その対象の思索となると、考えてみたこともないことがほとんどである。人間は、本来、何と崇高なる精神の可能性を有していることか。人類のたどりついた精神世界は、本来、何と広大で無限の高みと深みをもっているものであることか。

 我々は、魂を真理の糧で養い、真理の清水で洗い、昇華させてゆかなければならない。人間は思考することによって、日常の中に非日常的な真理の世界を創造してゆくのである。日常にありながら日常を超えて、日常の内にある天上世界へと飛翔し、天上世界を顕現してゆくのである。

 天上的な徳は、すぐ側にあるのである。真理を糧にしながら、真理を創造しつづけてゆくことは、人生最高の悦びである。



〔 光明祈念歌 〕
カントの美
心 誘う
真理界
魂 は 天
行かんと欲す
(貴)


悲しみも
喜びもあり
肉もつ身
それ故にこそ
真理を仰ぐ
(貴)



〔 光明祈念句 〕
氏神へ
飾納めて
カント解く
(貴)



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