戯 曲
「或る日の
投手戦」
観戦戯曲





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「或る日の投手戦」観戦戯曲
Japanese Dream Realization


「或る日の投手戦」観戦戯曲

投手 天に祈る気持ちなのだ。
天より頂いたこの霊気をもって、
この球を投げるためにね。
同志一同、ここに集まり、
精神を統一して守備につこう。

キャッチャー この球を投げてみてはどうだ。
このスローカーブなら打てまい。
けれど、このバッターは、
何を考えているのだろうか。
この世紀の始まりに、
ふさわしい球を選んでいるのに。

内野手 いつでもここへ球を投げて。
待っているから。
剛い牽制球でもいいよ。
相手チームを黙らせるような。

外野手 そろそろ時間が来たのだね。
君の投球が冴えて、
誰も打てなくなる時が、
その時期だ。
君こそ直球で勝負するのだ。

投手 スタミナには自信がある。
このポケットには青いハンカチ。
汗と涙もOKさ。
だって、君達へ投げるボールには、
全て印が入っているのだ。
私の手のひらに握ったままの、
汗の結晶がね。

バッター なんと打ちにくい投手だ。
君の球を打ち返すには、
何が必要なのだ。
智慧か、イデアか、
それとも大和魂か。

投手 私の大和魂を打ち返せるならば、
打ち返してみてほしい。
それだけの気合を入れて、
魂の球を投げているのだ。
この智慧とイデアと、
そして、大和魂の結晶を。

キャッチャー それでいいのだ。
さあ、君の青春を投げよ。
君の魂の軌跡を、
ここで証するのだ。

内野手 さあ、私達が見守っているから。
想念のエールを送るから。
天をみつめて、
鳳凰の舞をみたら、
さあここで、一球、
君の勝負球を投げるのだ。

外野手 どうせここまで飛んでこない。
打てる球ではないのだから。
けれど、君を見守っている。
遠くからでも君は近い。
近くからでも君は遠い。

バッター さあここに、直球が来る。
それを真っ直に振ろう。
たとえ三振に終わっても、
悔いはない。
だって、君の大和魂なのだから。

投手 私の球を選んでいるな。
ならば、ここでストレート、
という訳にはいかぬ。
少し変化球にしてみるか。
この秋の空に似合う、
投球を、天に祈りつつ、
なしてみようか。

キャッチャー 少し外してみたらいい。
そして、様子を観よう。
このバッターは
優しい瞳をしている。
どうしてこんなに大らか
なのだろう。
君を包む大海のように、
君を包む大空のように、
澄んでいるのだろうか。

観客 これは見事な投手戦
鳳凰の舞い
ここにあり
青空の下 陽の光
君の心に 射している
大和武命ありて
君の心に注いでる
川の流れの清さこそ
君の勇姿の象徴なり
高砂の松 幾重にも
大海包む
君の球
宝殿山に 人登り
レンズを通して
君を観る
松の波風 君は受け
永遠を語れり 久遠の色

投手 君は忘れはしないよね
この投球と魂と
何か余韻を遺したら
きっと君の胸を打つよね。
この海風の山越えて
嵐の中に吹き出でた
神々の生命の水を
側に受け
魂の球 投げるなり
たとえ道は別れても
必ず還ってくるからと
君の魂呼びさます
この直球に勝負した
君の瞳を忘れない
遠い記憶の言霊で
私の魂を眠らせて
君の微笑み語るから

キャッチャー 君の魂 忘ない。
白い不死鳥 歌のごと
君の魂 忘れない
青い色した黄色鳥
君の魂 忘れない
この青天に誓うから
さあ安心して投げてみて
君の魂 呼ぶ声の
遠くこだます
あの声は
あの人のことを映し出す
君の微笑み忘れない
君の魂込めた歌
この球場に響かせて
永遠の時 刻むなり
どんな写真が遺ろうと
君の魂 映すだけ

投手 この球に
込めた念いの千万年
続く想念 陽の射して
大空に舞う 
不死鳥の
祈りははるか
必然の
出会いとなりぬ
神々の
縁のありて
ここに投ぐ
この魂は忘れない
この魂は忘れない
たとえ涙を落とそうと
この魂は忘れない
この魂の一球に
全てを込めて投げるだけ

観客 この魂の一球に
全ての青春 祈り込む
この魂の一球に
明日への希望 祈り込む
この魂の一球に
君への想い 祈り込む
この魂の一球に
イデアの飛翔 祈り込む
この魂の一球に
君は何を語れるか
この魂の一球に
祈り込むのは青春の
永遠の価値 イデアなり
日ノ本のイデア ここにあり
日ノ本の理念 ここにあり
今こそ起たん 永遠の空


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